転生の学園
□幸せお裾分け
1ページ/3ページ
「俺、昔からお前の事好きだったんだぜ?」
今は真琴が一番だけどなー
そう言って来た昔からの幼なじみは
自分の前の席に腰をおろしている
いきなりなんだと思いながら
幼なじみの言葉に耳を傾ける
「記憶戻るまではずっと好きだったんだよな、
でもさそれは異性に対しての好きじゃなくて
妹的な?守らなくちゃ的な好きだったんだよな」
お前昔からけなげってか脆いってかなぁ?
けなげで悪かったね
ってかいきなり何?幼なじみの言いたい意図が見えない
「結局ハチは何が言いたいの?」
ハチはきょとんとした顔を向ける
きょとんとしたいのはこっちの方なんだけど
「ん−?いやぁな雛乃も俺の事満更では無かっただろ?」
…まぁ確かにハチには幼なじみ以上の感情を抱いている
他の人には確かに抱いていない感情である
だからハチが言っている事は間違っていない
「ハチのいう通りだよ?私ハチの事好きだよ?」
「やっぱり?でも…それは俺が言った事と一緒だろ?」
…?兄弟とかに感じる愛ってことなの?
「ん−?そうなのかな…?」
「じゃぁあの人の事は…?」
「べ…別に関係無いじゃない?」
なんで今さら…
だってあの人はまだ私の前にいないんだよ?
「なぁ…雛乃。三郎と雷夢が会えたんだから…可能性はあるぞ?」
「でも私の事覚えているかわかんない」
そう、記憶がある方が異常なんだから
「別にもうお前は幸せになっていいんじゃないか?」
いいのかな?
淡い期待を持ってもいいの?
タカ丸の事を好きでもいいのかな?
「……期待してもいいのかな?」
「もちろんだろ?俺は期待して真琴に会えたしな」
「そうだね。やっと思い通じたんだったね」
「やっとで悪かったな!」
そうだね…期待していいのかな?
いいんだね。
自分の気持ちに素直になろうかな?
そしたら…三郎と雷蔵みたいに
ハチと伊賀崎みたいに
私もタカ丸と出会えるかな?
「やっぱり私八左衛門の事好きだよ」
私は笑顔で言ってやった
ありがとうハチという思いを込めて
「そりゃどーも」
ハチもそう言いながら笑って返してきた
END
NEXT→あとがき?