小蓮華
□名前
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最近、越前から聞く他人の名前に反応してしまう。
以前の俺なら、普通に聞き流していただろうが、今は別だ。
恋人として、気になるのは当然だろ?
『名前』
(一番みじかな魔法)
今越前は、携帯とにらめっこ状態だ、さっききたメールの返信をしているみたいだ。
ただそれだけなら、普通だが…時間がかかっている。かれこれ、5分ぐらいだろうか?読み終わるまでが。
そんなに長文なのだろうか?
「越前、そんなにも長文だったのか?」
「ううん。一人一人は短いけど、人数が重なるとねっ」
人数が重なる?さっききたの以外にも来ていたのか?
「ちなみに、誰からきてたんだ?」
「えっと…
立海の真田さんと切原。不動峰の伊武さん。不二弟でしょう…六角の葵に、四天王寺の遠山、氷帝の宍戸さん。あと不二先輩と桃先輩。今きたのが、がっくん」
俺は越前が言った数にもおどろいたが、知っている人ばかりの名前に頭が痛くなった…。
がっくんとは誰なんだ?
「がっくんとは誰だ?」
「氷帝の、向日岳人っすよ。あの特徴的な髪型の人っすよ、おかっぱの」
あぁ…あの、アクロバティックのやつだな
「なんであだ名なんだ?」
「前に交換条件で。まぁ、イロイロありまして」
「そうか…」
…。恋人としては、不安だ。
それよりも、自分の意外にも狭い心に驚いた。
「もしかして、jealousyですか?」
「うるさい」
心を見抜かれて、焦った。
「大丈夫っすよ、俺の一番は国光なんだから」
「!!リョーマ…」
「大好きだよ国光」
「あぁ…俺もだリョーマ」
俺は改めて、名前の大事さがわかった。
名前は一番みじかな魔法
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