story
□Going to shiny tomorrow
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君は、太陽のようだと思う。
俺が傍にいるには、眩しすぎるくらい。
でも、その眩いほどの陽光で、影か闇か区別がつかない暗がりの下にいる俺を、どうか…
どうか、照らし出してはくれないだろうか―――
黄泉の元に参謀として加わって、二週間がたった。
夏休みの間だけ、という制限付きの期間。
それでもやはり、ここにいることを億劫に思う。
自らが進むべき道を、無意識のうちに、そして迷うことなく突き進んでいる君。
はたまた俺の方はどうだうだろうか。
自分の大切な人を盾にとられ、意志とは反対の行動をせざるをえない。
こんなにも弱い、自分。
そんな滑稽な俺は、薄闇のこの魔界になんて似つかわしいんだろう。
何処からともなき地響きが起こり、叫声が聞こえるこの世界に――…。
弱者と強者の縦関係に支配された、この世界に…
あぁ――幽助…
**
「…あッ、……ぅあっ…」
「声を我慢するな。
お前の美しい肢体が俺には見えないんだ。声だけでも聞かせろ」
「…くっ、いやだ……っ、あぁっ」
――っ
ここ最近、毎晩のように黄泉の部屋に呼ばれる。
逆らえない。ことばの裏に潜んでいる、無言の圧力。
かつては掌の上で転がしていた奴の下で声を上げているなんて、自分の誇り高き自尊心はどこへ消えたのか。
事が終わったあと、俺は無言でベッドを離れた。
「明日も同じ時間に来い」
「……」
――パタンッ
何も言葉にできなくて、さっきまであられもなく喘いでいた自分の声を聞きたくなくて……
最後の台詞には答えずに自室へ戻った。
いつになったら抜け出せるのだろうか。終わりがあるのかすらわからない、この迷路から。
――“…会いたい”
けど今の俺の姿を、彼の前に晒すわけにはいかない。自分でも目の色が濁ってることがわかる。
そして、毎晩黄泉に強いられる手枷の跡…
君の笑顔に照らされる資格なんて、今の俺にはない。