story
□南野くんと○○さんPart5
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◎黄泉の場合
読書に勤しんでいた穏やかな夜――…
無造作に投げられていた携帯電話が、着信があることを告げた。
(…なんだ、黄泉か。めんどうくさいな)
渋々ながら通話ボタンを押す。
「もしもし、蔵馬か」
「何か用か」
「用がなければ電話してはいけないのか?」
「俺の貴重な憩いのひと時を割いてるんだ」
「ふっ、冷たいな。しかしそんなお前も可愛いよ」
「死ね」
「嗚呼、何故だろう。
お前の“死ね”は、俺には“俺と一緒に逝こう、黄泉”と聞こえるのだ」
「それは貴様の頭と耳が悪いからだ」
「ふふ、照れ屋さんだなぁ蔵馬は」
「埋められたいのか?」
「照れるな照れるな。あ、そうだ、蔵馬」
「…今度は何だ」
「今日のパンツは何色だ?」
「これから貴様の血の色で赤に染めてみようと思うんだがどうだろうか」
それか飛影の炎で骨のひと欠片も遺さず焼かれてしまえ!