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□〜乱舞記〜三の章
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「ぁ、黄泉殿…やめて下さいっ、…ぅ、」

「ふふ、そんなに萎縮なさるな。かわいそうに、こんなに小さくなってしまって」

そう言って黄泉は蔵馬の中心を触り始めた。
突然の刺激に、蔵馬の身体は軽く痙攣する。


「―っ!ゃ、触るな!」

黄泉の手の動きは激しさを増す。蔵馬はその刺激に耐え、声を上げまいと唇を強く噛む。
その薄紅色の唇からは、鮮血が滲み出ていた。


絶対に声は上げたくなかった。
隣の部屋には、蔵馬の声の届く所に飛影がいるから。
“こんな奴に上げさせらるる声、飛影に聞かせられないっ――!”


「くっ…うっ、」

「蔵馬殿…変な意地を張らずに、声を上げなさい。そうでないと、おもしろくない」


しかし、蔵馬は固く眼を閉じ、歯を食いしばりながら刺激に耐えていた。
そんな様子の蔵馬に、黄泉の指は後ろの方に回る。


「ぅ、…はぁ、つっ、」

「蔵馬殿…啼かねばつまらん。声を上げなさい」


それでも蔵馬の唇は固く閉ざされたままだった。
その唇から血が流れようと、どんな刺激に襲われようと、ただ一つ。

長年想いを馳せる従者のことを脳裏に思い浮かべていた。


「はぁ、はぁ……ぁ、」

「蔵馬殿、よがろうと痛がろうと啼かねばつまらん!声を上げろっ」


黄泉は指を引き抜き蔵馬の細腰を掴み、自身でその身体を貫いた。


「――っ!くっ、…はぁ、……ぅっ」

「何故そんなに耐えようとするっ、蔵馬殿!」


黄泉は憤りに任せて腰を打ち付けた。
その美しい男の心が思い通りにいかぬなら、身体だけでもと。全てをそこにぶつけて―――


その後も激しい行為は続き、蔵馬の意識は次第に薄れていった。




「何故啼かぬのだ…、蔵馬殿。
あまりにも強情なので、身体を労るのを忘れてしまったではないか」

黄泉は服を身につけ、部屋を後にした。
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