Short

□夢中の王子様
1ページ/14ページ












下を見ると真っ暗闇

上は微かな月明かり


ここは・・・どこ?

そういえば息が苦しい・・・かな?

もしかして
いや
もしかしなくても

水の中?



そんなことを考えている内に口の中の酸素が・・・


『ケホッ コホッ』

早く上に上がりたい!

でもそれとは反対に体はどんどん沈んで行く


『だれか たすけ・・・』


もう限界
手を伸ばしても掴むのは水ばかり


でもそんな時・・・!


ザッパーン!!


誰だかわからないけど私を引っ張ってくれている


『ケホッ  ハァ…ハァ』

陸に上がれてようやく酸素を吸うことが出来た


“助けてくれたのはだれ?”

でも確認したくても息を整えるのに精一杯で


やっと整ってきたと思ったら、今度は月が雲にかかってしまい

(さっきまでは私に“上”を教えてくれてたのに)



『あなッ…たはッ……だれッ!?』

視覚がダメなら聴覚で

そう思ってたら月明かりもだんだん出てきて

少しずつだけど相手の顔が見えてきた



「俺は・・・」


その時、相手の顔がはっきりとわかった


『あなたは――――』
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ