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□織姫様と彦星様
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『あーあ、今年も天の川見れないや…』

一年に一回だけ織姫と彦星が会える日だというのに今日はあいにくの曇り空
しかもさっきまではどしゃぶりの雨だった
このまま晴れて!という願いを込めて部活が終わった後も残って空を見てたんだけど
雲が厚くて星一つさえ見えない


そして冒頭に戻る

「優衣、夜も遅いしもう帰ろうか。ご両親心配するよ?」
天の川を見たいという私のわがままに付き合ってくれた彼氏―幸村精一は言った
そう言われて時計を見れば10時を回っていた
お母さんには遅くなりますっていう旨の電話はしたんだけど、確かにこれ以上遅くなるとカミナリが落ちそうだな

『そうだね…帰ろっか』


それにしてもせっかく精一も一緒に残ってくれたのに
『見たかったなぁ』
独り言のように呟いた。けど隣にいた精一にはばっちり聞こえていたようで、

「うーん、確かに今日は見れなかったけどまた明日見るとかさ。天の川はまだ見れるよ?」

『え、それじゃだめ!七夕の日だから意味があるんだよー
それに…一年に一回なのに織姫と彦星会えなかったんじゃ』

「その心配なら大丈夫だと思うよ?
確かに神奈川は曇っているけど、ほかの地域は晴れているところあるだろうし。
それに天の川のある宇宙には雲は無いしね」

『うぅ〜、そうだけどさ。精一ロマンチックじゃない!』

「はいはい。でもそもそも僕、あの二人あまり好きじゃないんだよね」

『えぇー!なんで?』

「だって恋人に一年に一回しか会えないのを指をくわえて待ってるなんて…
もし僕が彦星ならどんな障害があっても織姫―優衣に会いに行くよ」









「それで短冊にはなんて書いたの?」

『ふふっ、秘密♪
あ、ねえねえ、来年も一緒に天の川見て…くれる?』

「もちろんだよ。来年も、再来年も、その先もずっと一緒に見るつもりだけど?」


『精一ありがとう、大好き!』
精一が言った言葉が嬉しくてガバッと抱き着いて言った
精一も「俺も優衣のこと大好きだよ」って言ってくれた

さっきの言葉で私の願い事の一つは叶いそうだよって恥ずかしくて言えなかったのは内緒の話











私の書いた願い事は、

【立海大全国優勝】


そして、

【ずっと精一と一緒にいられますように!】
 

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