After the Rain

□第五話
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送ってきたのは山ちゃん。
薮くんが帰ってすぐ僕は山ちゃんにメールしたんだ。ちょっとだけ薮くんの発言が気になったため聞いてみたのだ。


山ちゃんからのメールは僕が予想だにしないものだった。








――――――

From:山ちゃん
――――――――――

なにいってんだよ笑
裕翔の恋人は伊野ちゃんだろー(^-^)v

――――――――――









「え……っ」






伊野…ちゃんが、僕の恋人?
まさか…っ







「もしもしっ!圭人!」



山ちゃんに電話したけど繋がらなかったから圭人に電話をした。






『裕翔、どうしたの?』




「僕の恋人が伊野ちゃんって本当なのっ!?」






圭人は一瞬黙ってからそうだよって優しく言った。







「う…そっ」




『嘘じゃないよ、伊野ちゃんと裕翔は恋人同士だったよ。すごく、仲が良かった。』





圭人の真剣にはなす態度からこれが本当なのだと悟った。





「じゃあ……僕は恋人を忘れているってこと…?」




『そうゆうことになるね。…だから俺…最初信じられなかった。裕翔が伊野ちゃんを忘れているなんて』






僕は圭人と少し話してからトイレをでた。
話した内容はいかに僕と伊野ちゃんが仲良かったか。
愛し合っていたか。











なのに、なんで忘れちゃってんだよ…っ










悔しくて涙があふれた。








ドアを開けると伊野ちゃんは眠っていた。
綺麗な寝顔に僕の涙が落ちた。








「ごめんね…、ごめんねっ…」








――――――自分の消えたであろう記憶をどうにかしても取り戻したかった――――――










後に、記憶など戻らなきゃよかったと後悔したことも知らずに……








******第五話end
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