イベント*企画

□不器用なキミからのプレゼント。
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「……今何時だと思ってんの」




「……夜中、だよな。」





まだ朝になりきれてないような時間。
俺は公園にいる。
人なんかいるはずもなくただただ寒い。



夜中、眠ってるとき携帯電話が激しく鳴った。
夜中に電話を数十回鳴らすなんて有り得ないでしょ。






これじゃ眠れないから仕方なく出れば山ちゃん。しかも泣きそうな声(いや、泣いていたかも)で電話にでた。そして一言だけ、











――――会いたい……













山ちゃんとは付き合ってるっていってもいつも喧嘩してるような感じだし、会いたいだなんて言われたことはなかった。


なにを言っても会いたいとしか言われなくて、
仕方なくまだ暗いというのに山ちゃん家の近くの公園まで来てあげた。








「なんかあったの?」





「…会いたくなった」





「だ…だから、なんで?」






いつもツンツンしている山ちゃんが今にも泣きそうなくらいしおらしいとかなり動揺してしまう。


ギュッと握られた袖、握っている右手が震えている。












「山ちゃん…?」




「…う…、ごめ…」





ついに泣き出してしまった山ちゃんはバッと抱き着いてきた。

子供な俺だからただ背中に手をまわすことしかできなかった。



震えてる指、落ちる涙、嗚咽とともにぴくんと痙攣する背中は小さく感じた。

初めて会ったあのころは俺より大きかったはずなのに。












「…龍太郎、だよ…な?」




「うん…そうだけど」





「龍太郎……、よかった」






安心した、と言ってまた胸に蹲る山ちゃん。
なにがなんだか分からないけど、可愛い。







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