イベント*企画

□レイニーレイニーさぷらいず。
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光伊









ザーッというよりかはドーッのが合っている気がする、そんな雨。
湿気むんむんで髪は爆発、べたべたする肌は服にくっつく。
不快なことが多いこの季節だが俺は雨が好きだった。
ズボンの裾が濡れようが髪型が爆発しようが、それでもなおこの季節が好きだ。


「うっわ…これじゃ傘さしても濡れるよなぁ…」


今現在進行形で隣りで外を憂鬱そうに眺める男の髪もまた爆発している。こんなんでジャニーズなのかと思うほどのごわごわさに軽く笑える。
まあ、髪多いから俺より酷いんだろうな。



「確かに」



「んー?なんだか光余裕そうだな」




「まあ、俺伊野ちゃん程雨嫌いじゃないんで」



「…初めて聞いたんですけど」



「だって初めて言ったし」




仕方なさそうに折り畳み傘をさした伊野ちゃんの足元はすでにびっちょり。
靴にもしみているんだろうなぁ。
勿論俺も例外じゃなくびっちょり仲間の仲間入りをはたしているのだが。



「あ゙ー…あちぃのに雨とか有り得ねー…」



「まあまあそうおっしゃらずに」




「なんか今日ひかるうざい」




「ははは、ツンデレとは可愛い可愛い」




「いやデレてねぇし」




いつもならノってくる伊野ちゃんも雨のせいで苛々してノってこない。
あーつまんない。



「あーびしょびしょ」



「俺もー」





折り畳み傘をぶるぶる振ってからしまう。
駅は沢山の人で混み合っている。
時は夕方、仕方ないといえば仕方ないんだけど。お目当てのホームの電車は有り得ないレベルのゲリラ豪雨により遅れていた。
人々はぶーぶー文句をいう。
暑いのにうざいよ、うるせえと言った伊野ちゃんは相当苛々しているらしい。




「ね」



「ん?」




きゅっと手を握るとどうしたの?とばかりに首を傾げる可愛い恋人。
指を指と指の間に挟み込み絡める、簡単に言っちゃえば恋人繋ぎってやつですよ。えへ。





「なっ、ひかる!人が…」



「見てねえよ。雨に濡れて冷えただろう?」




真っ赤な顔で頷いた伊野ちゃん、可愛い。
だけどやっぱり君は嘘つきですね。
だって人がいっぱい集まったホームは湿気むんむんで暑すぎるくらい。




「ね、伊野ちゃん。ちゅうしよっか」



「へ…な、何言って…」




「ちゅうしよーよ。ちゅうー」




俺は伊野ちゃんの一瞬の隙をついてちゅうーっとキスをした。
難くなに閉じた唇を舌で舐めあげると唇は簡単に開いた。
ちゅぷちゅぷ音をたてながら口に含んでおいたあるものをそちらの口に受け渡す。



「んんっ!?」




「ははっ飲み込むなよ、盲腸になっちゃうよー」




慌てて伊野ちゃんは口の中に無理矢理いれられたものをだした。
伊野ちゃんの唾液で反射するそれは元のままよりずっと綺麗にみえる。




「ゆ、びわ…?」




「安物ですが。はっぴーばーすでー、でしょー?」




もう一度ちゅっと鼻の頭にキスする。




「覚えててくれたんだ…?」




「まあね、俺を誰だと思ってんのよー」




「ひかる」




「うん、まあそうなんですがね」





ありがとうとはにかんだ伊野ちゃんの笑顔は最上級だよmostだよ。




「まあさ、来年の今日はもっと良い物買ってやるから。」



「来年の今日も一緒にいてくれんの?」




「勿論。今度は結婚指輪って名目であげるっ」



「今日のはなんて名目なんだ?」




「婚約指輪ってことで」






ぶーぶー煩い人々。
鳴りやまないアナウンス。
ホームの中はぐちゃぐちゃ。
その端の端でひっそりキスをする俺らって結構幸せだと思うのは俺だけなのかなあ。








レイニーレイニーさぷらいず。





「結婚してくれんの?」



「お望みならば」










end

間に合ったー…
担当の誕生日小説は間に合わせようとがんばりました…;
いのちゃんおめでとです♪
 

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