My Everything

□第二話
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「……ごめんな」




朝になってまだ俺が寝ぼけていた時薮がそう言った気がした。
そして何もせずに薮はどこかへ行った。


眠い目を擦りながら起き上がったときには薮はいなかった。
ただ畳まれた俺の服があっただけ。





「っ…」




まだ腰が痛む。
昨夜薮と俺はシたのだろう。
俺が下で。
ただ何も覚えていない。




布団を捲り寒いから服を器用とベッドから降りる。

何故アイツはいなくなってしまったんだろう。
ヤった次の朝にいないことがこんなにも悲しいなんて知らなかった。

実際俺は同じことを色んな奴にしてきた。
朝、いたことはなかったんじゃないかな。







Tシャツを着て思う。
アイツ後処理はしてくれたんだなと。
汗や精液をシャワーでながしてくれたらしい。

優しいんだか優しくないんだかよく分からない。



ただあの時のごめんなが気になる。
泣きそうな顔した薮が瞼の裏に強く残っている。

昨日初めて会ったのに少し心を奪われている気がした。
しかしこの状況下で考えるにこれは恋人なんかじゃない、俺がいつもしていた所謂セフレだろう。






「腰いてぇ…」





セフレ…。
つい最近までの大貴と俺との関係と同じ。
楽な関係。
傷つかない関係。
重くない関係。










シたいときにシて、
止めたくなったらバイバイ。













何とも残酷な関係。
だけど俺はそれが好きだった。
楽だから。
















薮ともそうゆう関係になった、そう思えばいい。まぁ俺が女役ってのがどうかと思うけど性欲処理には困らなくて済むのだ。









「まぁ…結果オーライじゃん」






つぶやいて部屋をでた。マンションを出た頃にはもう昼になっていた。







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