My Everything
□最終話後半
1ページ/1ページ
「光、遅くてない…?」
大貴が不安そうな顔でいった。
俺も遅いと思っていたのだがまさかと思いトイレに向かった。
三つあるトイレは全て開いていた。
店員に聞けば三十分前に出ていったと言った。
店をでれば人通りの多い道路、光はもちろんいなくて電話をしてもでない。
まさか、勘違いしているのではないかと思うと気が気じゃなかった。
光の家に行っても俺の家に行ってもいない。
電話にもでない。
カフェに戻って見るものの万が一を考えたのか泣きながら震える大貴がいるだけ。
「ふぁ、薮…ぅ、薮おれのせいで」
「…大丈夫、俺が見つけてくるから、」
大貴から離れてもう一度カフェを出ようとしたときにみたストローの刺さったかぼちゃケーキを見て涙が溢れた。
走っている最中も走馬灯のように思い出す。
嬉しそうにすきだと言う光、おどおどしながら俺に問う光、かぷりと俺の指を噛んだ光。
指に巻かれた絆創膏に心が押し潰される。
あれから五時間が過ぎた。
何処にもいない。
座り込むと怖くて震えが止まらなかった。
「…薮…、見つかった?」
「…ううん、見つからない」
真っ暗な公園で大貴と2人で泣いた。
大貴と別れたあとやりきれなくて光の家へ戻った。
真っ暗な部屋。
此所で昨日やっと結ばれたというのに。
「薮…?」
「光!?」
パジャマ姿で寝室から出てきた光を見て咄嗟に抱き締めた。
「…どうして来たの?俺には用はないんじゃないの?」
「ないはずないだろ、急に居なくなるし…電話でないし」
「…当たり前だろう、なんで自分を騙した奴の電話にでなきゃならないんだよ」
「違うって、だから」
そんなつもりないと言えなかった。
何故なら初めは光を騙してぐちゃぐちゃにしてやろうと思っていたから。
泣くこともせず震えていれ肩。
「確かに初めは騙そうと思ったけど、すぐに本当に光のこと好きになって。それは本当だから」
「……別に怒ってないんだから、頭なんて下げないで…?」
頭を上げると光が歪ませていた顔を無理矢理笑顔に変えて笑ってた。
「俺、大貴に同じことしたんだ。故意にってわけじゃないけど。だから、そんな自分がいやで」
「…そうだけど」
「だから、薮のこと怒ってなんかないよ。自分のことは許せないけど。」
だって本当に俺のこと好きなんでしょう?と微笑んだ光に俺も笑って頷いた。
「大貴、ごめんなさい」
「いやいや…俺こそごめんなさい…」
昨日のカフェでまた俺たち3人はいた。
俺の前で謝りあう姿はかなり微笑ましい。
まるで小さい子達のよう。
内容が大人なことはひとまず置いておいて。
「光、笑ってる」
「へ?」
「俺といたときそんな風に笑ったことなかった、初めてみた。」
「そ、そう?」
「うん、可愛い。俺また光のこと好きになりそうっ」
微笑ましいはずの二人がいつの間にかなんとも恐ろしいことを考えていた。
「おいっ大貴、いまなんか聞き捨てならない言葉が聞こえたんだが」
「へへ、薮にはやっぱり勿体ないよ」
光を見ればまた俺のかぼちゃケーキにストローを刺して満足したのかニコニコしながら自分のケーキを食べている。
昨日、光がいなくなるまえと同じでホッとする。
「光、美味い?」
「ん、美味いよ」
笑った光の頭をそっと撫でた。
MyEveryThing
私の全てを
貴方にささぐ
end
グダグダ…
まいえぶりしんぐの下の言葉は訳です