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□Ich liebe dich.
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※管理人は関東住みのため関西弁下手くそですので注意してください。
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例えば、ブレーキが効かなくなった高速の車。
それはやがて壁にぶつかり壊れてしまう。

壊れてしまう、それは分かっている。
なのに、ブレーキが壊れているから止まらない。


ただただ、壊れるのを待つばかり。
それしか自分をとめる術がないのだ。









「健人、なぁ…なんでお前なんかな。」




傷だらけで深い眠りに落ちている健人の少し濡れた髪に触れる。






「なんで……健人なんやろ、」





なんで、健人が傷つける対象なのか自分でも分からなくてただ過去の自分を恨んだ。










「ごめんな……、ほんまごめん…」





細いその身体をきつく抱き締めた。
愛してるのに、大切にしたいのに傷つけてしまうそんな弱い自分が大嫌いだった。











正直…、




健人を抱こうとすると自分が抑えられなくなってしまう。
傷つけて、壊して自分のものにしようとする醜い自分が理性を壊してゆく。











「好きやで…」






「俺も……だょ?」






「健人…起きとったん…?」





「ばぁーか。あんな強く抱き締められたら誰でも起きるに決まってんだろ?」






にぃって笑った健人。
向日葵みたいな笑顔は俺が一番健人の好きなところ。









「そっか、」




もし―――


これ以上健人を監禁して傷つけたら、健人は本当に壊れてしまうかもしれない。
そしたらこの笑顔は見れなくなる。















ここで――














終止符を打った方がいいのかもしれない―――












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