After the Rain
□第三話
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「じゃあ、帰るね」
「じゃあ、バイバイ」
伊野ちゃんの家をでるころにはもうすっかり日が落ちていた。
昼間よりも一層寒さが身に染みた。
「……こ、れ」
伊野ちゃんには黙ったままだけど沢山ある写真の中から一枚抜いてきた。
僕と伊野ちゃんが綺麗なツリーの前で笑ってる写真。
もちろん、僕には撮った覚えがない写真。
屈託のない笑顔を見せる伊野ちゃん。
まだ僕が見たことない輝いた笑顔。
「かわいぃ…」
えっ…?
今、僕伊野ちゃんを可愛いって思った…?
ずっと、気付かないフリしていたけれどやっぱり僕は………
*