After the Rain
□第四話
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「一緒に帰らない?」
「あ、うんっ」
圭人に言われて仕事が終わったことを知る。
今日は1日ぼぉーっとしていて時間感覚に鈍ってたみたい。(撮影でも注意されちゃったし)
「裕翔、荷物纏めた?」
「あ、ちょっとまってて。」
慌てて宿題のノートと教科書をバックにしまった。
急いで入れたからチャックが少し閉まんなかったけどいいっか。
「じゃあ、行こうか」
「うんっ」
いつもより重いバックを肩にかけて圭人の後を追った。
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「今日の裕翔はちょっと変だね?」
「えっ?」
圭人はニコって笑ってるけどそれは明らかに苦笑い。
僕はなんか変なことしただろうか。
「今日伊野ちゃんを避けてたでしょ。」
「……え、ぁ……ぇと」
「ふふっ、裕翔は分かりやすすぎるんだってば」
しとしと、降り続く雨を見て圭人は折り畳み傘をバックから取り出した。僕もパンパンになったバックから水色の折り畳み傘を取り出した。
「避けてた…みたい」
「うん。見てたら分かるよ」
降り続く雨は僕のバックやスニーカーを濡らした。
あぁ…だから雨は嫌いなんだよ。
「あのね、僕ね、伊野ちゃんが分からないの」
「えっ?」
「一昨日の晩、家の近くで伊野ちゃんが倒れてたの。僕、そのとき伊野ちゃんと初めて会った」
「なに言ってるの…?裕翔は伊野ちゃんとずっとずっと前から友達でしょう?」
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