After the Rain

□第十話
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「あと…七日間」




「…えっ?」





「裕翔がキスなんかするから始まっちゃったじゃんかっ!」





初めて見た伊野ちゃんが怒鳴ったところ。

始まっちゃった?
俺のせいで?
なにが?




頭に増えるクエスチョンマーク。
だって本当に分からない。
心当たりがない。







「な、七日間…?始まっちゃったってなにっ?」



「もう…、あと七日間しか裕翔と一緒にいられないってことだよ、」








ユウトトイッショニイラレナイ…?






「な、なんでだよっ!」


「俺はね、ここに居ちゃいけない人なんだよ。」



「な…」




「俺は、」











――――――――1度死んでいる









「死んでいる…?」




「信じられないかもしれないけど…。」





「や……なに言ってんだよ…」





「どうしても裕翔の側に居たくて戻ってきたんだ。」





「嫌……そんなん、」





「愛してる人とキスをしなければ1年間…キスをしたらその日から七日間後にまた消えなきゃいけない、」



「な、、、んなはずないだろ!嘘つき!こんなときまで嘘つくんじゃねーよっ!」





「嘘なんかついてない!」




「どうせ…どうせ告白を断りたいからそんな嘘ついてんだろっ!…伊野ちゃんなんか大嫌いだっ!」








気がついたときには逃げ出していた。
伊野ちゃんの俺を呼ぶ声すら聞こえないほど、







僕の心は崩壊していた。








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