After the Rain

□第十三話
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「離しちゃ駄目だよ?」




「ふふっ、分かったって」





伊野ちゃんの左手をぎゅっと握り締めて歩く。
他の人に見られないように2人のコートの袖の中で繋いだ。

それはすごく温かくて、伊野ちゃんが雨だとも忘れてしまうくらい。










「あれ…、裕翔学校は?」




「伊野ちゃんとずっと居たいからサボってみましたっ」





「あはっ、真面目裕翔が真面目じゃなくなっちゃったな。」







伊野ちゃんの笑い声と笑顔。
絶対忘れないようにずっと見つめた。









「今日はずっと伊野ちゃんと一緒に居たいんだよ」




「ありがとう、」







ただ2人。
まだ人通りの少ない駅を走って出た。









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