イベント*企画

□ラブレターを捨てる。
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事の始まりは一週間前だった。


誕生日を一週間前に控え伊野ちゃんとは誕生日になにをするか、プレゼントはなにがいいか、なんて話をしていた。

そんなとき、







「大ちゃん、いま暇?」



悪魔はそっと、罠をかけた。







「うん、光君どうしたの?」




「いや、ちょっとね。2人で話をしたくて。」





「分かった。」






伊野ちゃんは少し不機嫌そうに文句を漏らしたけれど、俺は光君についていった。

伊野ちゃんとはいつでも会えるし、いつでも話せる、だってコイビトなのだから。
そう思ってたから。



















光君は人気の無い廊下につくと足を止めた。
俺も止まると、光君にっこり笑った。





「ねぇ、俺自信あるんだよ」




「なにが?」




「大ちゃんを伊野ちゃんよりも幸せにできる自信」




訳分からないこと言われて顔を上げると息ができなくなった。

口が塞がれた。
苦しいのに甘く気持ちいい、それは伊野ちゃんとだけする行為だった。




どっか遠くで何かが落ちる音がした。




「んっ…んぅう…ぁ」




「何やってんだよ」





冷淡な声で一気に意識が戻った。






「ふぁ…ぁ、い、のちゃ」




「あ、伊野ちゃん」





光君が伊野ちゃんを見ると伊野ちゃんはどこか悔しそうに走り去ってしまった。





「ちょ、光君っ。伊野ちゃん絶対誤解してるじゃんかっ」




「誤解?何が?俺とキスしたことは紛れも無い事実でしょ」




「で…っ…もぉ」





「大丈夫、愛してるなら弁解すれば平気でしょ」





何処か飄々とした光君に言われ、それはそうかと流された自分がいた。

今思うと催眠術にでもかけられてたんじゃないかと真剣に考えてしまう。






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