桜吹雪が僕らを包む
□111御題
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焦がれる。
Hikaru→Kei
「ひかる…?離してよ、どうしたの?」
楽屋で俺は伊野ちゃんに抱き着いた。
悪ふざけなんかじゃない。
後ろからぎゅうって。
伊野ちゃんは初め悪ふざけだと思ったのか笑っていたけどなかなか離さない俺に少し困っているようだった。
「ねえ光?」
「だめ…何処にも行かないで。」
「光…、なんかあったの?」
俺は何も答えず、伊野ちゃんの髪に顔をうずめる。
「光…、なんかショックなこととかあったの?」
首を横に振る。
「ごめん…今だけこうさせて」
「え?あ…うん、」
だって、つなぎ止めておきたいから。
伊野ちゃんが誰かと仲良く話したり笑ったりすると、胸がちりりと熱く痛くなるから。
焦がれる。
今日くらい俺だけの、
アナタでいて。
end。
基本1題これくらいの短めでいきます。