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□にゃんぱらり。
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「…………で、何か知んないけど猫になっちゃったわけね」




「うん…」





只今仕事中。
しかしなんの呪いか祟りか知らないが猫耳と尻尾が生えた俺は撮影に参加していない。
すいません、スタッフさん。

ちなみに、光君も。





なんとまあ、目の前の光君にも猫耳が生えている。
黒い猫耳、黒い尻尾。
なんか…かわいいかもしんない。






「光くん…おれ、戻らなかったらどうしよお…」



「大丈夫。俺がなんとかして戻してやる……つっても俺も同じ状況なんだけどな…」




光君も結構やつれているみたいだ。
そりゃ朝起きて猫になってるんだもん、堪えるよなあ…。






「はあー…疲れたあ」




「うー暑いー…」




がちゃりと開いた楽屋のドアとともに撮影を終えたメンバーが入ってくる。





「あっ、おつかれー」




今日は気温が30度を超える真夏日、しかも外での撮影。
俺と光君はクーラーの効いた部屋にいるから快適だけどみんな汗だくだ。




「雄也ーっ」



「うおっ、知念?」



「僕ね、頑張って撮影したんだよ」



「お、えらいえらい」




「だからー…ごほうびちょうだい?」



「うおっ??」






いきなり知念に両猫耳を摘まれる。
何だかむず痒いような不思議な感覚だ。




「かわいいねえ、ちょっと舐めてみても「知念調子のるんじゃねえぞー」




「うぎゃあ!痛いって!ばげちゃうーっ」





光君が俺にくっついてた知念を剥して髪の毛をひっぱっている。
知念、いたそ…






「ね、高木君。お茶飲む?喉渇いたでしょう。」




「おっ、ありがとう」




「どう致しまして。」





山田に貰ったお茶はよく冷えていて美味しそうだ。
口元に近付け飲もうとする。




「高木、ちょっとそれ貸してくれる?」




「え?光君も飲みたいの?」



お茶を渡すとそのままの流れで裕翔に渡した。





「くれるの?ありがとー………ん、ねむ、」





お茶を一口飲んだ裕翔は眠ってしまった。
あれ、裕翔眠かったのかな…






「山田、あとで跡形も無く消し去ってやるからな」




「あはは冗談だってえ」





山田の口元がひきつっている。




「高木、お前もちょろちょろすんな。今お前は高木猫なんだから」




「高木猫って…」





猫は光君も同じだとおもうんだけど…。







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