文倉庫1

□雨夢楼
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『ねえ、君は慧が好き?』




『え…慧って、なんで…え?』




恋人に追いつこうと早足になろうとした光は瞬間さっきの男に呼び止められた。




『慧…好き?』



『あ、あんた誰だよ』



『いいから、』




『す、好きだよ…だって恋人だし…』






そうか、という男。






『俺も慧が好きなんだ』



呟いた男。
男は光の手を握った。
光の瞳はどんどん虚ろになってゆく。






『迎えにいくって、


言ったのに。』








慧とは反対方向に歩き出す男、と目が虚ろな光。
雨が酷くなる。












『裏切ったのは、

















お前だよ、慧』












泣きそうに歪んだ男の顔、

彼は素足のまま土砂降りの雨をあるっていった。光とともに。




















end
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