文倉庫1

□約束の日
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朝のホームルームはいつも通り、授業だって校庭だって。
いつも通りだった。
ただ、昨日涼介と近すぎたからなんだか今日が遠く感じて少し寂しい。

他の友達と笑って話す涼介を窓際の席からちらりと見た。
明らかに嫉妬している自分がちょっと恥ずかしくて机に突っ伏した。
授業だってあまり涼介を見ないように校庭にいる体育をするクラスを見ていた。
何しろ隣りの席だから見ないわけにはいかないのだけれど。


「裕翔、今日昨日公園にいた時間に昨日寄った公園に来てくれる?」


「え…ああ、うん」



なんだか意味の分からないことを言った涼介だが本人が楽しそうなので何も言わないでおいた。
午後の授業も午前中と同じようにあまり集中などせず受けた。
なんせおべんきょうはあまり好きではない。


いつも通り涼介と家まで帰り、ベッドにずぶんと倒れてみた。
なんだか落ち着かなくてテレビをつけた。
つまらなすぎるテレビ番組なのに全て見た僕はやっぱりなんだか今日おかしい。
またいつも通りご飯を食べてお風呂に入ってから公園にいく支度をした。
コートを羽織りマフラーをしてから外へ出た。
今夜は明らかに昨夜より寒い。
風呂に入ったのは失敗だった。
湯冷めは確実だ。

公園に着くと涼介は既にいて自分の手に息を吹きかけていた。



「ごめんね、遅れちゃった」


「大丈夫俺も今来たところ」



昨夜と同じぞうさんのベンチに座る、やっぱり狭い。



「ねえ、裕翔」


「なに?」



ひゅうっと冷たい風が吹く。
風が白い粉を運んできた。
それが雪だったからそれをぱくりと口の中に迎えれてみた。



「好きだ」


「りょ、」


「好き、好きなんだ裕翔」



ギュッと強く抱き締められた。
コートの厚い布越しに確かに涼介の熱を感じた。


「ずっと昔から好きだった、裕翔とこれからも一緒にいたいから」


「涼介…涼介、」



冷えた頬に温かいものが流れた、それが涙だと分かったのは少し時間が経ってからだった。
嬉しいのと信じられないのとむず痒いのと、やっぱり嬉しいので涙が溢れてきた。
震える腕を必死に涼介にまわした。



「僕も、僕も好き…っ」

「裕翔、ありがとう」


「大好き、大好きだよ」


昨日の主人公の少女と少年がしたように唇が重なった。
温かくて熱が冷えた身体に染み込んだ。


「好き、好きだよ…好き」



溢れてくる好きたちを涼介は全部全部受け止めてくれた。
俺も好きと涼介もまた言ってくれて、泣きながら笑った。



「俺が幸せにするから」

「涼介、プロポーズみたい」


「そう思ってくれてもいいよ、裕翔」



唇が重ねる瞬間、
涼介の服を引っ張った。


「涼介、ありがとう」



唇が重なると同時に瞼を閉じた。








約束の日




「ずっと一緒だよ、裕翔」


「うん、ずっと一緒」











end
久し振りに甘い!!
甘い。
Iwithさんの約束の日はとっても好きな歌なんです。
結婚式のうたなんですが使っちゃいました^^
歌詞が可愛いので裕翔にしてみました。
涼裕久し振りすぎた…

ハッピーエンド!!
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