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□ボクハミズノナカ
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※病




綺麗な花を握り潰した。淡い桃色の輝かしいそれがぐちゃぐちゃになって散った姿をみて俺は花を初めて手に入れたような気がした。

手が疼くのだ。
輝くものを壊して自らのものにしようとじゅくじゅく熱に侵されるのだ。


「好きになってごめん、」


「や、やぶ…?」



綺麗な君は儚き花のよう、手が疼くのだ。
触れるとほら柔らかくて温かくて手はじゅくじゅく熱を帯びる。
すき。すき、すき。
コントロールできなくなる感情。
ほしい、全部ほしい。



「やぶ…やぶ、怖いよ」


花弁が墜ちるようにこの花も壊れ散ってしまったなら俺は苦しくなくなるの?

伊野尾の唇に唇を這わせると柔らかくて泣きたくなった。
だって君は優しいから。振り払ったりしないのだから。


「んっ、んん」


「ごめん、ごめんな」



好きになって、
ごめんね。
君に会って、
ごめんね。
触って、
ごめんね。

弱くて、
ごめんね。




尊い花は、
不安そうに俺を見つめるから。
愛してる、と零すの。
君は赤くなって頷く。
ありがとう。
でも、ごめんね。




「大好きだ」






ボクハミズノナカ




ミズノナカ、
抜け出せない。
永遠ループ。
冷たい風、熱い欲望。

ああ君は、
ボクに壊される。












end
やみやみやぶくん。
このまま伊野尾さんを襲っちゃいます。
それでまた彼は泣く。
みたいなかんじ、永遠ループ。

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