文倉庫1

□ほら、もうじき夜が明ける。
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※裏注意











「ひぃ、あ…っ…ふ」



親友の指は冷たいのに吐息だけはあまりにも熱く色掛かっていた。
その指はさらりと俺の身体を這い、触れられた所はじゅくじゅくと熱を帯びる。



「ひかる、ねえ分かる?今俺ら一つなんだよ?」


「い、あ…やあ、ん」



「ん、ひかる」



何年も積み重ねてきた友情が崩れ去った瞬間、逃げることはできた。
だけれど親友、伊野ちゃんの瞳には自分だけしか映っていなくて今にも泣きそうに潤んでいた。
ひかる、と掠れた声で呼ばれるとただそれに答えるしかなかった。



「すき、すきなんだよ…ひかる」



「ん、う…」



「ごめん、ごめんね」



謝っても止めるつもりないくせによく言う。
汗ばんだ額と零れる涙でぐちゃぐちゃの顔でうわ言のように俺の名前を呼ぶ。

いつも歌をうたう口が俺の名前を呼び、少し割れた唇が涙で濡れている。
こいつは仮にも親友でありメンバーでもあるわけだけれど、自分の渇いた唇を押しつけた。



「ふ、ん…っ」



「んっ!?ひかる、」



「はあ…ん、も、だめ」


「…ふふ、やっぱり光可愛いよお前は」




再びスライドが始まりそれと同時に聞きたくないような自分の嬌声が溢れる。



「ひかる、ひかる」



「あっ…あ、伊野ちゃん、いの、ちゃんっ」



「ひかる、ひかる…っ」


飛び散る涙と汗と、精液がベッドを汚した。
裸同士で抱き合うと呼吸と心音がよく分かる。
叫びすぎて喉が痛い。



「はあ…っ、ん」



「ふ、あ…」



「光…、大丈夫?」



「……駄目、腰痛い」



「ごめん…っ、俺光のこと…光のこと、」




先程まで熱い吐息と共に俺の名前を呼び涙で濡れていた唇は微弱く震えていた。
飄々とした親友なわけだからこういったことは非常に珍しい。



「忘れて、なんて…無理だよね…っ」



「…忘れないよ」



「…だよな」



可哀想に震えた背中に腕をまわして、やはり震えている唇にもう一度口づける。
ギシ、とベッドが鳴ったが気にせず感情の赴くままに唇を蝕んだ。




「は、あ…ひか、る」



「忘れないで、好きなのは伊野ちゃんだけじゃないから」



目を真ん丸にしたあとくしゃりと顔を歪めて涙を流す伊野ちゃん。
たださっきと違い震えながらも笑っていた。












ほら、もうじき夜が明ける。





「やっぱり笑ってたほうがいいよ、伊野ちゃんは」

















end
裏久し振り^^

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