夢物語
□ゼロリナ独白
1ページ/2ページ
リナ視点
―――――――――――――――――
無へ還りたいと云うアイツは、まるで神聖な存在のようで美しい。
けれど絶対に言ってはやらない、アイツは真剣にからかうだろうから。
満天の星空に寝転がりながら、あたしはアイツの瞳を思い出して考える。深い闇色なのに何処か冷たく、何処か優しい不可思議な瞳を。
魔族に関する全てを。
そうして辿り着いた結論。
ふと流れた星屑に祈る。
また明日、アイツへの幸せを。
***********
あたしはいつかアイツを滅ぼすだろう。そしてアイツはあたしを躊躇いもせず殺すんだろう。
分かっているのに今は友好条約?そんな筈はない。アイツには命令がなく、あたしには理由がなく、ただそれだけ。馴れ合いの化かし合い。
けれど、アイツ以外の誰かにあたしの首は勿体無いから、仕方ない。あたしはアンタ以外の誰かに殺されたりしないわよ!
***********