桜花ニ賦ス
□さくら 四十八
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「沢田ー!」
大声に振り返れば、教室のドアのところに京子ちゃんのお兄さん。
「ど、どうしたんですか、お兄さん。」
「おお、いたか沢田。」
歩み寄れば、大げさな動きでお兄さんが反応した。
「沢田、お前佐久良と喧嘩しているそうだな!」
「えぇ!?」
お兄さんの突然の発言に、今度はオレが大きな動きをしてしまった。
「え、あの、え、オレと佐久良さんが喧嘩ってどういうことですか。」
問い掛ければ、お兄さんの動きが一瞬止まる。
「違うのか?」
「違うと、思うんですけど。」
喧嘩も何も、昨日からまともに話してすらいないんだし。
「佐久良が、お前のことで溜息をついておったぞ。」
「佐久良さんが…?」
「あぁ。
何があったかは知らんが、男たるものデカい器でなければならん。
解ったな、沢田。」
「は、はぁ…。」
言うだけ言って、お兄さんは去って行った。
…どういうことだよ…。
そう思いながら席に戻れば。
「ちょっ、獄寺くん!?」
今度は獄寺くんが、土下座していた。
ホント、色々どういうことなんだよっ。
(ツナ視点)