過去拍手御礼
□Valentine's day
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『Valentine's day』
D.Gray-man(クロウリー×エリアーデ)
「エリアーデ、これは…何であるか。」
「…ちょ、チョコに決まってるでしょ!
今日が何の日か知らないの。」
アレイスターの問いに、エリアーデは真っ赤になって答える。
「今日は、バレンタインデー、であろう。」
「わかってるじゃない。」
しかし、アレイスターは首を傾げた。
「これは、既製品のように見えるのだが…。」
「悪い?
あんたみたいなのが、貰えるだけ有難いと思いなさいよ。」
「も、勿論、有難く思ってるである。
ただ」
「『ただ』、何よ。」
眉を潜めて、エリアーデは問い掛ける。
「昨日、キッチンで作っていたのではなかったのであるか。」
その言葉に、ぐっ、と詰まるエリアーデ。
(表情は、『なんで知ってんの。』と言わんばかりのもので。)
「エリアーデ…?」
「あ、あれは、そのっねっ、だからっ」
しどろもどろと、適当な言葉を発していたが、じっと、見つめてくるアレイスターに、降参とばかりに項垂れた。
「あれはっ、失敗、したの。」
「失敗、であるか。」
どうにも、菓子作りというのは彼女の性に合わないらしい。
(本人も薄々気付きつつは、あるのだが。)
「そうよ、失敗!
だから、買ってきたんじゃない。」
「そうだったであるか。」
ツンとそっぽを向いてしまったエリアーデ。
そんなエリアーデを見て、また首を傾げるアレイスター。
「我が輩は、別に構わなかったであるが…。」
「何がよ。」
「失敗でも、構わなかったである。
エリアーデが我が輩の為に作ってくれたという、その気持ちと事実で十分である。」
「…アレイスターっ。」
ぎゅうっ、と抱き付いてきたエリアーデを、アレイスターは優しく抱きとめた。
(来年は、絶対に成功させてみるから!)
(愉しみにしてるである。)