過去拍手御礼
□White day
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『White day』
D.Gray-man(クロウリー×エリアーデ)
「エ、エリアーデ。」
振り返れば、何やら赤い顔をした彼がいた。
「どうしたの、アレイスター。」
首を傾げて、問い掛ける。
彼は、もじもじしている。
「あの、で、あるな。」
「何。」
彼の、もじもじとした様は、可愛らしくもあるが、イライラもする。
「こ、これを!」
ぐいっと、彼が差し出してきたのは。
「薔薇…。」
真っ赤な薔薇の花束。
三十本は下らないであろうか。
「バレンタインの、お返しなのだが、何を用意したら良いかわからなかったである。」
受け取った、その花束はとても良い香りを漂わせていた。
「服も宝石も、どうにも見劣りするような気がして…エリアーデは綺麗過ぎて」
真っ赤になって、俯く彼。
「花なら、エリアーデにも劣らないかと思ったである。」
きっと、物凄く一生懸命考えてくれたんだろう。
(なんて、可愛い人。)
「お返しなんて、別に良かったのに。」
そう言えば、顔を上げ。
「め、迷惑であったか。」
慌てだすアレイスター。
「迷惑じゃないわよ、嬉しい。
有難う。」
にっこり、笑って言う。
ホントにね、嬉しい。
この薔薇の花束も。
私に相応しいものを、って一生懸命考えてくれたことも。
でも、お返しが要らない、ってのもホント。
貴方の側に、いさせてくれるだけで、十分だから。
(愛してくれて、愛させてくれるだけで。)