果ての月

□授業の記憶、両者の見解。
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「ラブグッドと親しいのか。」
 
 男の言葉に、少女は紅茶を眺めていた顔を上げた。
 
「…あぁ、ルーナのことね。」
「親しいのか。」
 
 男は繰り返した。
 
「えぇ。」
「授業に潜り込む程、なのですかな。」
「あら、怒ってるの。」
 
 少女は首を傾げた。
 
「別に、そういう訳ではない。」
「じゃあ、何故。」
 
 少女の問いに、男は紅茶を一口飲んでから、口を開く。
 
「教授職に就いてから随分経つが、お前が授業に潜り込んできたのは、初めてだったからな。」
「そう言われれば、そうね。
 貴方の時以来だわ。」
 
 今度は、少女が紅茶を一口、口にした。
 
「懐かしいでしょう。
 私にとっては、昨日のことのようだけれど。」 
「忌々しい記憶だ。
 邪魔ばかりされた。」
 
 その頃のことを思い出したのか、男の眉間に皺が寄った。
 その様子に、少女は笑った。
 
「年長者として、子供のやることに口を出したくなるのだもの。」
 


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