artistic
□第1章
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〈その出逢いは、偶然で、運命で。〉
切っ掛けは彼女の作品を眼にしたこと。
(どういう訳か、其れがどんな作品だったかは、全く思い出せない。)
言葉で表すことが出来ない程の、衝撃。
胸に響く。
感動した。
彼女流に言うなら『すごい』。
随分と長い時間、其の作品を見詰めていた。
(作品を展示している場の、オーナーに声を掛けられる迄。)
我に返り、直ぐオーナーに制作者について問うた。
誰か、性別は、歳は、どんな人物か。
そして、会ってみたい、と伝えた。
オーナーの返答は。
「名はガーネット・ホワイト」
「女」
「若いだろうが年齢不詳」
「物凄く変わり者」
「化け物紛いの容姿」
そして。
「会うことはお勧め出来ない。」
だが、此方が粘ると、嫌々ながら制作者の居場所を教えてくれた。
(それからが、彼女自身との出逢い。)