桜花ニ賦ス
□さくら 四十五
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まぁ、またイチャモン付けられそうになったら、その時はその時。
そう思いながら、登校。
校門を潜って、校庭を見回すも、今日は机と椅子は転がっていなかった。…一昨日は、うん、校庭に不審な机と椅子が転がっていることに、疑いを持つべきだった。
そう反省しつつ、教室へ。
日課となった片付けをしていれば、廊下で沢田君と遭遇した。
少し迷ったけれど、周りに人もいないし。
「おはよう、沢田君。」
挨拶をしてみた。
「あ、う、うん、おはよう、佐久良さん。」
何だか、昨日迄と違ってぎこちない。
それに、明らかに故意に眼を合わせてくれない。
「沢田君、どうかした?」
「べ、別に、オレ用あるから…。」
そう言い残して、沢田君はそそくさと自分の教室に入っていってしまった
あれ?私なんかしちゃったのかな。
一寸、寂しい。
(主人公視点)