番外編

□桜のつぼみ
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皆さん、こんにちは。
うちは恵姉さんの妹の咲言います。よろしゅうお願いします!

恵姉さんが弘之介さんと別れてから、二年が経った。
うちは晴れて八歳となり、寺子屋に通う日々やった。
しかし、姉さんは最近愚痴ばかり言うてはるし…。
原因はどうやら、弘之介はんらしい。


「あーもう!何で迎いにけえへんの!?せやったらウチが江戸行く!」
「恵、落ち着きよし。弘之介はんは真面目なお方。必ず来はるから」
「う〜!」


お母はんが宥めても、姉さんは机に突っ伏して泣くばかり。
こんな日が何日もあった。
これが『恋』ゆうもんなんかな。
せやったら、うちはしとうないわ。


「咲、恵の相手しといたって〜!」
「ええ!?」


一人泣きじゃくる姉さんを置いて、お母はんは店へと戻って行ってしまった。
二人きりになった。
弟は近所の友達と遊びに行ってるし…はぁ。


「咲…咲は寺子屋に気になる男の子とかおらへんの?」
「…え?」


姉さんは机に突っ伏したまま、うちに聞いてきた。
…うちは良いなぁ思う人は…一人いた。
その子は成績優秀で、人気者の男の子。
うちはその男の子のことを姉さんに告げた。


「ふぅん…。会えないと淋しゅうない?」
「う〜ん、分からへん。うちそんなに大人やあらへんもん」


そんな淋しいとか恋しいとか、まださっぱりやわ。
うちは呟きながら、姉さんと同じように、机に突っ伏した


























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