唄部屋
□シアワセ
2ページ/3ページ
「……ん…」
暖かいまどろみの中で、ゆっくり意識が浮上する。
暖かさが全身を包んでくれるのが嬉しくて、背中に感じる重みが心地よくて、ふっと目を開けたら。
目の前に広がる、白い布地から覗く肌。背中に感じた重みは私を抱き寄せている腕で。
あなたの腕の中。
そっと顔を上げれば、飛び込んでくる、だいすきなあなたの顔に。
思わずどきどきして、ほっぺたが熱くなった。
私の方が先に起きるなんて滅多にないことだから、彼が眠っているところを見るなんて初めてで。
起こさないように、なるべく動かないように注意して、彼を観察することにする。
…まつげ、長いなぁ…
男の人なのに、肌きれい
零れる吐息がおでこに掛かって、くすぐったい
ぁ、ちょっとだけ唇が開いてる
いつも大人っぽくて余裕があって、かっこいい人だけど
何か今は、子どもみたいにあどけなくて…かわいい
このひとの全部が、私だけのものになったらいいな…