唄部屋

□シアワセ
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「……ん…」




 暖かいまどろみの中で、ゆっくり意識が浮上する。
 暖かさが全身を包んでくれるのが嬉しくて、背中に感じる重みが心地よくて、ふっと目を開けたら。

 
 目の前に広がる、白い布地から覗く肌。背中に感じた重みは私を抱き寄せている腕で。




 あなたの腕の中。




 そっと顔を上げれば、飛び込んでくる、だいすきなあなたの顔に。
思わずどきどきして、ほっぺたが熱くなった。

 
 私の方が先に起きるなんて滅多にないことだから、彼が眠っているところを見るなんて初めてで。
 起こさないように、なるべく動かないように注意して、彼を観察することにする。

 




 …まつげ、長いなぁ…



 男の人なのに、肌きれい



 零れる吐息がおでこに掛かって、くすぐったい






 ぁ、ちょっとだけ唇が開いてる




 いつも大人っぽくて余裕があって、かっこいい人だけど
 

 何か今は、子どもみたいにあどけなくて…かわいい





 このひとの全部が、私だけのものになったらいいな…


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