Novel

□夜空ノムコウヘ
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第1章 旅立ちの日

朝が来た。
カーテンの隙間から朝日がこぼれる。
ナリは重々しい体をゆっくりと起こした。
「朝か・・・・」
布団から起き、急いで服に着替える。
僕はナリ・K・ロード。こう見えても現役の白魔術師だ。
今日は友人のマオウから呼び出しが掛かっているのだ。なにやら重大発表らしいが。
家の玄関を開けて外に出る、真冬の空気が肌に突き刺さる。
マオウ達は宿からすぐ近くの広場で待っている。
急いで広場に行くとマオウ達が居た。
「遅いぞ!ナリ!」
ふくれっ面でマオウが言った
「ああ。ごめんごめん」
僕は謝りつつマオウ達の居るところに歩いていった。
彼は黒魔術師のマオウ・アルス。みんなからは「マオウ」と呼ばれている。
僕はマオウと小さい頃からの知り合いで、昔よく一緒に遊んだものだ。
「で?今日は何のために呼び出したんだ?」
僕が聞くとマオウは嬉しそうに
「おう。聞きたいか。実はな・・・・。」
そう言いかけたとき
「今日はね、みんなで旅に出るんだよぉ。」
おちゃらけた風にカズが首をはさんできた。
カズ・C・テミス。通称カズは、いたずら好きで好奇心旺盛だ。
そのせいか、いつもみんなの反感をかっている。
ちなみに僕と同じ白魔術師。僕が攻撃系の白魔術師担当でカズが回復系担当だ。
「こら!俺が言おうとしたのに。」
「まぁいいじゃんいいじゃん。で、今回はどこに旅に出るか知ってるぅ?」
カズの言うとおり、僕たちはみんなで旅を繰り返してきた。
いろいろなところに行き、いろいろなお宝を探し出してきた。
今回も何かお宝を探しに行くに違いない。
するとマオウが言った。
「まあ、今回も前回等と同様。お宝を探しに行くんだが。」マオウがそう言いかけた時
「今回はなんだかすごいお宝なんだって。」
またカズが首をはさんで言った。
「すごい・・・・お宝?」
僕はカズに聞いた。
「うん、なんだかね、この世界の有名な6つの大陸に一つずつ宝石みたいなのがあって、
それを6個全て集めると願いが叶うらしいよお?」
カズが嬉しそうに言った。
マオウは少し怒った表情で、
「あ!一番そこが言いたかったのに!」と声を張り上げた。
だが、カズは無視して話し続けた。
「えっと、今回は第一の大陸。ウッドスティール大陸に行くんだよね?」
カズがマオウに聞いた。マオウは少し不機嫌そうに言った。
「あぁ、そうだ。今回はウッドスティール大陸に行き、
第一の秘宝。ナチスを探しに行くんだ。」
なんだか今回の旅は長くなりそうだ。そう思ったとき、無口だったタキが言った。
「今回の旅はすごく長くなるぞ。」
タキ・ケイン。かなりの腕の剣使い。タキと呼ばれていて、
余り喋らないやつだが、剣の腕だけは確かだ。
「そうなのか?タキ?」
僕がタキに聞くと、タキはかすれた声で答えた。
「ああ。今回はすごく長い旅だ。旅の準備は
いつもよりちゃんとしておいた方が無難だぞ。」
「ありがとう。タキ。」
僕はそう言ってから本題に話を戻した。
「で、マオウ。準備はどうするんだ?」
するとマオウが自信満々な顔をして、
「おう。それはもうタキの指導の元済んである。
あとは各自武器、回復薬、防具等の用意をしてくれ。
いつもより少し多めにな。」
と、マオウが言った。
確かに少し長そうな旅になるだろうから多めに用意しておいた方がいい。
「よし。じゃあ。各自用意してからまたこの広場に集まるように!」
そうマオウが言い残して一時解散となった。
よし。それじゃあ準備をするとするか。
ナリはまず薬屋に向かうことにした。
薬屋には色々な回復役が置いてあった。
ポーション。
(HP。体力を少量回復させる薬)
ハイポーション。
(ポーションの強化版。コチラの方が回復量が多い)
エーテル。
(MP。魔法を発動させるためのエネルギー源を少量回復させる薬)
フェニックスの尾。
(仲間の戦闘不能を回復させる薬)
さぁ、何を買おう?
やはり旅にはどれもこれも必要だ。
僕はこれらを5個ずつ買っておいた。
少し足りない気もしたが。僕の残金もさほど無いので
これくらいにしておいた。
さあ。次は武器を見に行こうか。
愛用の武器もあるがさほど攻撃力は高くない。
武器屋にでも行くか。
ナリは次に近くの武器屋に行くことにした。
武器屋に向かっているとカズに会った。
「あ!ナリじゃん。薬とか買ったあ?」
カズがいつものようにおちゃらけた風に聞いてきた。
「ああ。薬は買ったよ。今は武器屋に向かっているところだ。」
そう言うと自信満々に
「あ。白魔の武器ならガードロッドがお買い得だよお?」
とカズ言った。
「ガード・・・ロッド?」
僕がそういうとカズが
「うん。体力・魔法・精神が少しずつ上がるという
すぐれものだよ?しかも安いし。僕はそれを買ったんだ。」
と嬉しそうに言った。
「そうだな。僕もその杖にしておこうか。ありがとう、カズ。」
そう言うとカズは楽しそうに去っていった。
さて、カズの言うとおりガードロッドを買ってっと・・・・。
さて、次は防具だな。
防具といえば腕輪だが、どのような腕輪にしようか?
僕は次に、防具屋に向かって走っていった。
防具屋に着いた。
腕輪は高いものから安いものまで色々と売っていた。
やはり準備はちゃんとしておいた方が良いので、
僕は一番防御力の高いチタンバングルを買った。
さて、武器・防具を装備した。薬も持った。
あとは広場に行くだけだな。
僕は急いで広場に向かって走った。

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