短編・リク集
□優しい音色
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エメリア「どうかしました?」
依然として頭を抱えている魔王にエメリアは今日何度目かわからない呼びかけをした。
魔王「いや… それより何の話だ?」
エメリア「えと… 兄さんに頼まれて『トクセイベントウ』っていうのを持ってくるように言われたんですよ」
さっきも話していたのだが、エメリアは嫌な顔一つせずに説明を始めた。
魔王「……それでなんで物置なんだ?」
エメリア「え? 探し物ならここかなぁ って思って♪」
魔王が若干ひきつりながら質問をしたが エメリアは笑顔で即答した。
エメリア「で… なんか小包を見つけたんでコレかなぁ… と魔王さんに聞いたところですよ?」
エメリアがそう言って差し出した小包を受け取りながら魔王は小さく溜め息をついた。
魔王「……(『トクセイベントウ』? もしや『特製弁当』のことか…? だとしたらこんなところあるわけが…)…ん?」
エメリア「魔王さん?」
魔王「…今すぐ何処かに捨ててこい」
魔王は苦虫を噛み潰したような顔でエメリアにそう言った。
エメリア「え? それってどうゆう……?」