短編・リク集

□優しい音色
3ページ/14ページ

魔王「中身が腐ってる」

魔王がそう言うと、途端に辺りに異臭が広がった。 ……ような気がした。

エメリア「え!? わ… わわ! すぐに捨ててきます!」

エメリアはやっとソラの頼んだものの正体に気付いて、慌てて外に向かって走り出した。



が。



魔王「…待て」

と、魔王に手を掴まれた。

エメリア「え…?」

不意をつかれたエメリアは、キョトンとした表情で魔王を見上げた。

魔王「……外は危険だ 私も行こう」

小さくそれだけ言って魔王は手を放した。

エメリア「……クスッ 大丈夫よ♪ すぐに戻ってくるから」

魔王「っ!? 姉…上?」

エメリア「え? サラさんがどうかしました?」

魔王「……いや なんでもない」

エメリア「? あ! タメ口… ダメでしたか…?」

様子がおかしい魔王に、エメリアはわたわたしながら聞いた。

魔王「いや… たいしたことはない 気にするな」

エメリア「そうですか…? 仲良くなったら時々タメ口になっちゃうんで… スイマセン……」

シュン、と項垂れるエメリア。 そんなエメリアの様子を見た魔王は――
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ