短編・リク集
□優しい音色
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魔王「中身が腐ってる」
魔王がそう言うと、途端に辺りに異臭が広がった。 ……ような気がした。
エメリア「え!? わ… わわ! すぐに捨ててきます!」
エメリアはやっとソラの頼んだものの正体に気付いて、慌てて外に向かって走り出した。
が。
魔王「…待て」
と、魔王に手を掴まれた。
エメリア「え…?」
不意をつかれたエメリアは、キョトンとした表情で魔王を見上げた。
魔王「……外は危険だ 私も行こう」
小さくそれだけ言って魔王は手を放した。
エメリア「……クスッ 大丈夫よ♪ すぐに戻ってくるから」
魔王「っ!? 姉…上?」
エメリア「え? サラさんがどうかしました?」
魔王「……いや なんでもない」
エメリア「? あ! タメ口… ダメでしたか…?」
様子がおかしい魔王に、エメリアはわたわたしながら聞いた。
魔王「いや… たいしたことはない 気にするな」
エメリア「そうですか…? 仲良くなったら時々タメ口になっちゃうんで… スイマセン……」
シュン、と項垂れるエメリア。 そんなエメリアの様子を見た魔王は――