喜夜小説
□位置(喜助の独白)
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彼女が来そうな
そんな気がした。
だから微かに自分の部屋の窓を開け眠らずにいた。
自由気ままな彼女
自分の所に来るのに法則も決まりも無い
ただの気まぐれ
しかもアポ無し
だから予測出来ない
自分の感が当たるのも五分五分と言ったところだろう。
微かに開けた窓からは少し冷たい秋風が吹き込んでくる。
自分は彼女にとってどんな存在なのだろう。
フッとそんな事を考えて頭を降る
考えても虚しいだけだ
彼女にとってアタシはただの親友でしかない。
その位置付けだって凄い事だと思う
だからそれ以上なんて望めない。
アタシには贅沢すぎるし
どうにも出来ない壁があるから。
だから
自分には今の位置が相応で最も幸せな位置
そっと顔を上げ時計を見た。
長針も短針も2をさしている。
どうやら今夜の感は外れたらしい。
エンド