□私立春川学園!
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退学は免れた。
風紀委員長様が頑張ってくれたらしい。
マジさんくす!
でもやっぱりクラス落ちになったようで・・・
C組メンバー及び海とお別れになってしまった。
海は泣いて、一緒に行く!なんて張り付いてきて撒くのが大変だった。
俺って愛されてるぅ!
に、してもなー・・・
「まさかこんな隔離された場所だとは思わなんだ!」
A〜Cまである校舎からちょっと歩いて辿り着いた校舎。
何だか白い校舎も影がさしててまるで魔王城状態である。
「えっとー俺は1Fだから一階だったなー。」
仲良くなれるかしら!
俺ってばチキンだからね!えへ☆
そう思って落書きだらけの廊下をひた歩く。
いやはや別世界だよなー。
俺も壁になんか残しとこうかなー。
なんて思いつつ歩いていると、目指していたクラスまで辿り着いた。
「着いたのはいいんだけどもー・・・。」
何か怒声やら罵声やら物が壊れる音がするんですけど!
やだ怖い!
でも開けないと道は開けないぜ!
と、いうことで、
「なむさん!!」
ガラッ、シーン・・・・
今起こったことをありのまま話すぜ!
我ながら痛い奇声を上げながら扉を開くと
そこはまじ超次元て感じの不良の溜り場だったわけだ!
さっきまで騒いでたのが嘘のように一様に沈黙し
視線は全て俺に注がれている・・・
いやん人気者は困るわん!
まあそんな痛い視線なんか知らんわーい!
まずは挨拶から!
魔法の言葉だぽぽぽぽーん!
「どうもお初です紫藤翠斗です、クラス落ちして、今日から君たちのお友達だよ!」
よろしこ!
とポーズまで付けて自己紹介をすると
今度は一気に
「何じゃわりゃー!」
「ふざけとんかくぉらぁぁああ!」
「聞いてねえぞこら!」
ぎゃーぎゃーわーわー
さっき扉の向こうで聞こえてきた怒声罵声より五月蝿く絡んできた。
詳しくは胸倉を掴まれた。
えーなにここ面倒くさーい。
でも以外とイケメン揃いー。
苦痛ではなさそうだ。
「おい、何澄ましてんじゃこらっ。」
そんな俺が余裕そうに見えたのか(まあ余裕ですけどね!)
一層力を込めてきた。
いい加減苦しいな。
ちょっと乱暴だけど殴っちゃろうかなと思って拳を握ると、
「おい騒がしいぞ、何してんだ木村。」
後から声が聞こえてきた。
「あ、厚木ぃ!だってこいつ、」
「良いから離せよ、苦しそうだろ?」
目の前の木村?君はちょっと唸って、
俺の胸倉を突き飛ばすように離した。
ケホ、なんて咳き込んだのは仕方ないよな!
「お前大丈夫か?」
「ああ、どうもありが、」
あらやだ美形!
今までに会った中で中々の好みである。
あ、俺おホモでないから!
一般論でカッコいい的な意味だから!
そんな美形に感激して相手、
(厚木って聞こえたような・・・)を見つめると、
「むぐっ!?」
あんるぇええええ??
何か顔近くない?
つか、唇が何かに触れて・・・ってあれ?
「っふ・・、」
あ、舌が入って・・・・・成程チッスですか。
「ん、ぅ、はぁっ、」
しかもディープよこれ!
口の中を好き勝手に蹂躙され、
呼吸までもが喰われていく感じ。
段々苦しくなってきた・・・そして何かこいつ腹立つな、
俺ってば基本的にやられっぱなは嫌いなもんだから、
後頭部に左手を沿え、相手の腰にを右手でグッと引き寄せる。
そして・・・
「んっ・・!?」
下克上じゃぁぁあ!
俺だってそこそこブイブイ言わせてたんだからな!
ってことでこっちもかき回してやる。
「んん!っ、ふ、ぅん、はっぁ・・!」
も、いっかな?いっかな?
仕返しを仕掛けたのは俺だけどさ、
舌疲れた!
離れたい!
なのにこいつ逆に詰め寄って来てね?
襟首掴まれたんだけど!
デジャブか!?
ちょ、許してくれ!
二人してキスしながら「んー」なんて唸っていると、
ギャラリーのうちの誰かが
「いい加減にしろよ!」
と言いながら引き剥がしてくれた。
空気読んでくれてありがとう!
って木村くんじゃないか!
顔赤くして可愛いね!
さっきのはチャラにするからね!
「っはー、はーげふっ。」
「ん・・・・。」
と俺が木村君に感謝しつつ、
体全体で呼吸を整えようとしていると
足元に美形がずるずると座り込んでいくのが見えた。
お互いの唾液でべたついた口元がイヤらしくテラテラしている。
更には焦点のあわない潤んだ瞳に上気した
頬で俺を見つめ、
なんていうか凄く・・・ムラっとくるな。
俺が悶々していると、若干顔を赤くした木村くん達がまた騒ぎだした。
「っ、というかテメェはうちの頭に何してんだよ!」
「厚木へたってんじゃん!」
「こんなのDに見られたらどうすんだ!」
などなど。
へーこいつ頭だったのか。
だから木村君は素直だったのね。
ん?ということはさ、
「俺が頭じゃね?」
「はあ!?」
「何でだよ!馬鹿じゃねえの!?」
「えーだってさ、俺お前等の頭潰しちゃったじゃん(性的に)?普通だったら勝ったほうが頭だろー?じゃあ俺じゃん。」
な?と言うと狼狽する不良共。
納得してなさそうな顔であるが一生懸命考えている仕草をしている。
・・・なんていうかお馬鹿ちゃんよね。
ふっ、と短くため息を吐いていると
ズボンの裾をくいっと引かれた。
何じゃ、と下を向く。
「ああ、何?」
「・・・でいい。」
「ん?」
「てめえが頭でいいぞ。」
あっさりと言われたもんだから驚いて固まってしまう。
それを聞いたギャラリーも一斉に考えるのを止め「え?」という顔をしている。
「だからよぉ・・・。」
驚いたままの俺等を放置し、ゆったりと立ち上がると、
「おまえが、いいって、言ってんの」
と今度はちゅ、と軽くリップ音をさせてキスをしてきた。
「な?」
「・・・このとんでもビッチちゃんめ」




どうやら本性はビッチちゃんだったらしく、
俺に惚れたそうな。
(因みに俺限定でビッチだとか抜かしてた)
唐突にキスを仕掛けてきたのも目付きがたまらんとかなんとか。Mでもあるのかハイスペックだなおい!
とツッコミを入れたのも仕方ないことだと思う。
そんな厚木将太の推薦もあり、俺はクラス落ち初日でFを統べてしまったのだ。
反乱因子もいるんでない?
とちと思ったけど以外と皆素直で、
「厚木が言うならなぁ?」
ってことで「てめえ」から「翠斗くん」になった。愛いやつらめ!

てなことでお兄ちゃんは上手くやっていけそうです。

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