04/02の日記

21:38
雨上がり、天に祈る
---------------
※『Un indicatore stradale』番外編です。
========================





















ザッーーー…














その日は凄く雨が強くて、一日中降っていたから気温も低くて寒かった日だった。



そんな日に、私はあの人と出会った。








「どうしたのー?」

「……あの人、寒くないのかな…?」

「え?」

















この雨の中、傘も挿さずに公園のベンチに座っていた貴方



「わっ!ホント、何やってんだろ!?」


「……大丈夫、かな…。」


「構わないでおこうよ!遅刻するし、早く行こう!!」
















友達に促されて、その時は学校に行ったけど

公園の彼が気になったまま、一日が過ぎていった





















ザッーーー…

















「あ〜委員会で遅くなった!」





一日中降っていた雨は、勢いが増したようで

小走りで家に帰っていた私は、ふと横に視線がいった



「!」






そこには朝いた彼



朝と変わらない、そのままの状態だった





気付いたら私の足は動いていて







「お兄さん、傘ないの?」































"言葉を失う"








その言葉の意味が今分かった気がした












その人の顔があまりにも、



悲しみと憎しみと怒りと辛さと







全てのカナシミの感情が身体中から溢れていて






















「傘、あげるよ。」


















理由なんてない







ただ、息の仕方を忘れたような感じで……


私は、その人に囚われた






気付いたら傘を差し出していて




彼の肩とベンチに傘を掛けて、





















「風邪、ひくよ。…早く家に帰ってね。」















それだけ言って、私は公園を駆けていた。


雨に濡れてるけど、そんなの気にならなくて



公園から出るとき、何となく後ろを振り向いた
























彼が、泣いていた







































「応援?」


「そう!先輩が出るんだよ〜!!
お願い!!一緒に行ってくれない?」


「ん〜でも私テニスのルール、知らないしなぁ…。」


「大丈夫だよっ!先輩かっこいいから!」


「いや…意味分かんないし…。」


























あの彼、どうしたかな…




























ワッーーワッーー











「うわ…結構賑わってるね…。」

「うん!都大会なのにすごーい!先輩どこかなん!!」










キャッーー!!!







「わっ!な、何!?」


「何だろっ!行ってみよっ!」















女子が大勢いる……


何だろ、そんなに有名な人なのかな?



人の隙間から見たコート





「キャーー!!!がんばってぇ!!」


「いけいけぇー!!」






黄色い声援をまるで無視


目の前の相手しか見ていないその瞳






黄球を握り締め、


漸く顔を上げたその選手に、



私は目を見開き固まった














「…うそ…。」











「うそ!!あの人めちゃくちゃかっこいいじゃんっ!!!」












友達の言葉も耳に入ってこない















あの、彼だった……















「わ〜かっこいいっ!って、この学校の人みんなかっこいいじゃんっ!!ヤバーい!!」





























あの日見た彼








だけど、今の彼はあの日と違う















自信に満ち溢れて



強い眼差しで
















一目で分かった





























「…失恋だ……。」


















理由?



そんなの分かんない













でも、彼が



















笑っていた



















それだけで私は、口元が緩んだ




















「え、何で笑ってるの?ってか今"失恋"って言った?」

「え?言ってないよ。ねぇ、先輩ら見なくていいの?」


「あーっ!!そうだった!ここはまた後で!!」








駆けていく友達に苦笑いで着いていく。





走っていく中、一回立ち止まり振り返る。










「……頑張れ。」


























あの日の彼の涙の理由は分からないけど




彼と、彼の大切な人に光がさしますように





































========================

はい、


見事に突発文です!!



『Un indicatore stradale』の番外編ですっ!!

saidはどっかの女の子です!


"彼"とは一応あの幼馴染み四人の中のお好きな方で…



話しは分かりにくいと思いますが、これからの話で意味が少しだけ分かるかもしれません


分からなかったらすみません!!






ではでは御粗末様でした!

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ