07/09の日記

19:21
はじめの一歩
---------------
リョツナ
========================



























「……あの、リョーマ君…大丈夫…?。」




「……………だ、大丈夫だよっ!!!」

















整えられた髪


皺の無いスーツ


締められたネクタイ











「えと…そ、そんなに緊張しなくても…大丈夫だよ…きっと……。」


「…うっ…うんっ、!」














目の前に建つ家を見上げ、大きく息を吐くリョーマ

その姿は正装を纏っており、表情は見るからに強張っている。



その隣にいる綱吉は心配そうにリョーマを見上げて、なんとかフォローする。






「…はぁっ…。」


「………。」


再び大きく呼吸するリョーマ

それに綱吉はゆっくりと目を細め、



キュッ……



「!」


「…大丈夫…ね?」






ふにゃり、と柔らかく微笑み左手を掲げる。

リョーマは一瞬目を見開き、



「…ふっ…そうだね。」


「うんっ!」















































ガチャッ――…




「ただいまー…。」



「ツナ兄!お帰りなさぁいっ!」

「ツナあっそべーッ!!」

「ランボ、飛び付いちゃダメっ!」





扉を開けばいつもの三人が出迎える。

ランボが綱吉に勢い良く飛び付いてきたので、ぶつかりそうになったが、間一髪で横から伸びてきた手がそれを阻止する。




「もぅ、ランボ危ないでしょ…。リョーマ兄、こんにちは!」

「こんにちは!」

「あらら〜?何かリョーマ変な感じがするもんね…。」





「っ!…うん、お邪魔します…。」






ランボの言葉に息を詰めるリョーマは小さく三人に挨拶をする。



「あ、ツナ兄、パパンがさっきからずっと『ツナ〜ツナ〜』って言ってたよ!」


「「………。」」




屈託の無い笑顔で言うフウ太。

その言葉で二人はピシリと石化し固まる。



「…どうしたの…?」


「固まってないで遊べーッッ!!」




先に動いたのは綱吉で、ランボの頭を撫でながら小さく謝る。




「ごめんね…ちょっと父さんと母さんに用があるから…話が終わってから遊ぼうね。」



「え〜ヤダもんねっ!!ランボさんは今すぐ遊ぶんだもんねッッ!!」

「ランボ、わがままダメ!」


「そうよ。」





「!ビアンキ…。」



ゴロゴロと回るランボを持ち上げるビアンキ。

まだ玄関に立ったままの二人を品定めのように見ると、クルリと体の向きを変える。。














「ま、頑張りなさい。」










「「!」」



そのまま二階に上がっていくビアンキに、二人は驚きに固まったままで、返事が出来たのはビアンキ達が部屋に入る前だった




























「あら、ツっ君お帰りなさい。
リョー君は?」

「う、うん…ただいま…連れて、きてるよ…。」


キッチンで切っていたキャベツから視線を後ろに向けた奈々。


「お、お邪魔しますっ…。」


振り返る奈々に緊張感が溢れる空気で頭を下げて挨拶をするリョーマ。



「……ふふ、いらっしゃい。」



いつもの優しい笑みを浮かべ、再びキャベツを切る。

「あっ、あの、母さ「リビング」


「えっとー……へ?」



「リビングで待ってなさい。あの人と後で行くから。」



笑顔でそう言い、包丁を軽快に鳴らす奈々。

綱吉とリョーマは暫く止まっていたが、奈々に言われたとおり、顔を見合せゆっくりと歩いていった。































「…ツー…えっと…お、お父さん?は…?」

「あーっと…居間で寝てるんじゃない、のかな…?」


ぎこちない二人

横に座り、話すその二人の手は繋がっていて






ガチャッ



「二人とも、待たせたわねー。」


「ツっ君〜!!!!」



「ッッ!!」







扉が開いた瞬間飛び付いてきた、金髪の男性


「と、父さんっ!!苦しいからッッ!!」


抱き着かれている綱吉はもがき、引き剥がす。


「せっかくパパが帰ってきてるのにツっ君全く相手にしてくれないんだもんっ!」

「はいはい…。」


泣き真似しながら言う家光を綱吉はとにかくテキトーにあしらう。

それにまた泣き付く家光だが、ふと横を向く。


「おぉ、なんだ青年来てたのか。」

「!す、すみません!お邪魔してますっ…!」



慌てて頭を下げるリョーマ

その勢いはホントに素早く





「アナタ、私の隣に座って?」








凛とした声

家光は戸惑いながら指定された奈々の隣に腰を下ろす。


「………。」


綱吉はその様子を見つめていると、奈々と目が合う。
すると奈々はフワリと優しい笑みを浮かべる。

綱吉はそれに目を見開き、頬を朱に染めるのだった。



「え?奈々どうしたの?なんか、「父さん」

「…ツナ?」

「…えと…あ、の……今日は二人に話したいことが、あって…。」


「話??」



「………。」



そこまで言うと綱吉はリョーマへ静かに視線を送る。






「………。」








目を閉じ、スッと息をするリョーマ























「突然お邪魔してすみません…」














































手を繋ぎ、一緒に進んでいこう




















One step of start




(それはもちろん)
(君と一緒に)
















========================

何の話か分かるかな……

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ