ファイアレッド・リーフグリーン編


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 カントー地方某所にある、カントーポケモン協会本部のビルディングス内にある会議室。
 7人のジムリーダー達が、他でもないカントーポケモン協会直属の召集を受け、一同に会していた。

 ニビジムリーダー・タケシ。
 ハナダジムリーダー・カスミ。
 クチバジムリーダー・マチス。
 タマムシジムリーダー・エリカ。
 セキチクジムリーダー・キョウ。
 ヤマブキジムリーダー・ナツメ。
 グレンジムリーダー・カツラ。
 トキワシティジムリーダー・サカキは……欠席してしまっているのだが。


 口の字型に配列された長机の最奥にて、エリカが音頭をとった。

「皆様、お集まりになりましたね。新しいメンバーをまじえたカントージムリーダーが全員で揃うことは、これが初めてですので――ここで一人一人自己紹介と致しますか。ではナツメさんから」

 むすっと腕を組んでいた長い黒髪の少女は淡々と口を開いた。

「ヤマブキシティジムリーダーのナツメ。エキスパートタイプはエスパー」

 それだけ述べ終わると、再び口を固く閉ざしてしまった。

「ちょっと、無愛想過ぎない……?」

 眉を潜めて異を唱えたのは、ハナダジムリーダーのカスミである。
 短いサイドテールを揺らして反論した。

「確かに、ジムリーダーはジムと町を守っていればいい……、でもそれだけじゃないわ。ジムリーダー同士で連携を取っていないと、いつ足元掬われるか分かったもんじゃない」
「次はあなたでしょうか? カスミさん」

 挑発しているとしか思えないナツメの発言。
 カスミはきっ、と涼しげなナツメを睨みつけたが、場所が場所ということもあり、敵意を見せることなく自己紹介を始めた。

「私がハナダジムリーダーのカスミ。エキスパートタイプは水です。この中では年齢もかなり低いかもしれませんが、よろしくお願いします」

 不満たらたらにカスミは吐き捨てた。

「じゃあ次はタケシで」
「え!?」

 藪から棒に振ってこられたタケシは戸惑うしかないが、しどろもどろになりつつも、ぼそぼそと述べる。

「自分は、ニビジムリーダーのタケシです。エキスパートタイプは岩タイプで……なにかと至らぬ点が目立つかもしれませんが、なにとぞよろしくおねがいいたします」
「ちょっとこの岩頭。かしこまりすぎでしょ!」

 隣の席だったカスミは、遠慮なしにタケシの茶色い五分刈りから飛び出ていた耳を引っ張り上げた。

「あだだだだ!?」
「およしなさいカスミ。場の空気をもう少しわきまえなさい」
「はいはい、エリカさん」

 エリカに諌められ、ぱっと耳を解放する。
 害をこうむったタケシは両手で耳を押さえると、しばらくの間もんどりうっていた。

「次はわたくしでしょうかね。……わたくしはエリカ。タマムシジムリーダーで、エキスパートタイプは草です。一応このジムリーダーでは着任歴が一番長いので、まとめ役を仰せつかっております」

 そう言うと、着物姿で一礼をした。
 漆のように黒く艶やかなおかっぱが微かに揺れる。

「それでは、そろそろ年長者も自己紹介せねばなりませんかな」

 禿頭に丸いサングラスの男性が名乗りを上げた。

「私はカツラ。グレンジムリーダーを務めさせてもらっています。エキスパートタイプは炎。私が最年長者となります」
「お次は私ですかな。キョウ、と申す者だ。セキチクジムリーダーを務めさせてもらっている。エキスパートタイプは毒。これでも忍者の末裔としてやっております」

 キョウは最後に、ファファファ! と独特の笑い声を上げた。

「んで、lastを飾るのがme……クチバジムリーダーのマチス。expert typeはelectricデース」
「……これで自己紹介は全部ですね。早速本題に入りたいと思います」

 エリカがまとめたところで、カスミが質問をする。
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