ロック☆スター
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「ひーとん、ひーとん!!」



ここは、とあるレコーディングスタジオの楽屋の中。
今は休憩中。
でも全然休憩出来てない。
なぜなら隣の女が騒がしいから。
そしてさっきから俺に付きまとうウルサい女こそ、俺の彼女。


「だーー!もぅ、うるさいっ!!
それに"ひーとん"って呼ぶなって言ってるでしょ!!」

さっきから彼女が連発する"ひーとん"とは俺のニックネーム。
そして俺は人気ロックバンドのギタリスト。

「俺らは一応人気商売なの!
カッコいい路線で売り出してんの!
なのにニックネームが"ひーとん"はどう考えてもダメでしょ!」

うん、俺の言い分、理にかなってる。
でも実際のところ、
このバンドの女子人気ってボーカル:ギター=9:1だから、俺の呼び方なんてあんまりカンケーない。
俺、技術担当だし。
ギャグキャラだし。


「なんで?
だってこのバンドの女子人気って、おーちゃん:ひーとんで9:1じゃん。
別にひーとんがなんて呼ばれてよーがカンケーないよ。
ねー、おーちゃん?」

「ねーー。」


自分で分かっていることでも人に言われるとムカつく。
とくにコイツに言われると。

…っていうか、

「なんでおーちゃんまでコイツの言うことに乗っかってんの!?!?」

「自分だって俺のこと"おーちゃん"って呼んでんじゃん。」

「…あ。」



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