さん!さん!さん!
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冬の曇りの日や夜には、太陽の偉大さが身に染みるものだ。
と、寒い家路で改めて実感した。

冬が寒いのはあたりまえ。
でも早朝の登校に比べて、日が暮れてからの下校が寒いのは勘違いじゃないと思う。


別に「我は日輪の申し子ー!」とかいいたいわけじゃないけれど、古代の人達が太陽を神様と崇めたのにはすごく共感が持てる気がする。
だって街灯なんて存在しない昔は、太陽がなかったら真っ暗だもん。
もし私が古代人だったとして太陽を奪われたら、絶対に嫌だな。

太陽力発電…とか、太陽エネルギーの有効な使用法とか小難しく言われると遠い話に聞こえるけれど、やっぱりお日様はもっと身近なものなのだ。



月の煌々と輝くような時間にひとりで帰るのはとても寒くて、信号に引っかかるたびに震えるのが嫌だから、心なしか自転車をこぐ足が早くなる。

昨日まで一緒に帰っていた友達には、今日の朝に「ごめん。これからは一緒に帰れないし、登校もできない。」って言われた。
彼女が出来たんだって。

その彼女というのは、私の親友。

お隣さんと親友。
私にとって大切な人ふたりが仲良くなった。───そのどこにも、私に応援できない理由なんて存在しない。




にぱってよく笑う彼は、そう言えば太陽に似ていたな、なんて、マフラーを直しながらふと思った。

だから、きっとそうだ。

今日の夜がいつもより寒いのはきっと、いつも隣にあった太陽がなくなったからだね。
別にやきもちを焼いているわけじゃないんだよ。






ん!ん!ん!
(別に、)
(恋をしてたわけじゃないんだ)







【2010.01.24.】

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