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□ロック☆スター
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おーちゃんはこのバンドのボーカル。
だから変なニックネームが出回ったら俺なんかより数百倍困る…と思う。
おーちゃんと俺は幼なじみで、昔から二人三脚でバンドを頑張ってきた。
「…なんにしろ、俺にだってちゃんとした名前があるんだからそっちで呼べよ!」
「…えー…"YU☆KI"?」
"YU☆KI"ってのは俺のバンド名。
高校のころからの痛い名前。
センスの無さは丸出しだけどそれなりに思い出があるし、何よりここまで来てしまっては変えるに変えられない。
「嫌だよ、超ダサいもん。
真ん中に"☆"とか。ウケる。」
この言葉に反応してすかさず、
「それは言わないであげなー、ひーとん気にしてるから。」
と、おーちゃんがフォローを入れた。
人に言われると虚しさも増す気がする。
「はーーい。」
…ってお前、
おーちゃんの言うことには素直だな!!
「んじゃー、YU☆KI!」
別に本名で普通に呼んでくれればいいのに。
「んもーー、何?」
「ジュース買ってきてー!」
「…は?」
え?散々引っ張っといて用件ソレ?
「自分で行ってこーーい(・∀・)!!」
イライラに身を任せて、力任せに広めのおでこをべちっと叩いた。