短編小説

□Orange Day
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その日、レッドは暇を持て余していた。
さしてやるべきこともなく、かと言ってやりたいことがあるわけでもない。何となく物事の全てが億劫に感じられる。

それと言うのも、全てはこのバケツをひっくり返したような土砂降りのためであった。
早朝から降り続けているくせに一向に止む気配はなく、おまけとばかりに風も強くなってきている。
ちなみに今は午後2時を少し回ったくらいである。


とまあ、誰しもが似たような経験があるであろう一日。
彼にとっては、正に今日がそういった日であった。


結局、彼はこの一日を怠惰に過ごすことに決めた。
そのことにあまり気は進まないが、たまにはこういう日もあるさと自分を無理矢理に納得させていた正にその時だった。玄関のチャイムがなったのは。

こんな天気の中誰だろう、と不思議に思いながらもレッドはドアを開けた。
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