短編小説

□10000hit記念フリー小説(金銀水晶)
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『お祭り騒ぎ』


「やっぱり今日も遅刻ね」
髪が重力に逆らっている少女はぼやく。
その身を浴衣で包み、夏祭りの準備は万端といったところだ。

「あいつの遅刻癖は今に始まったことじゃないだろう?」
彼女の相槌を打つのは、赤い長髪が印象的な少年。その瞳はどこか月を連想させる。
彼もまた、浴衣着用で準備は万端だ。

「それはそうだけど、こういう時くらいは遅れないで欲しいわ」

「まったくだな」

それから数分後、周りがザワザワと言い出した。
二人は何事かと思ったが、人集りから飛び出してきた影を確認した瞬間、納得した。

「わりぃわりぃ」
バクフーンの背に乗り登場した少年は言った。爆発した前髪がかなり印象的で、その金の瞳は太陽を彷彿とさせる。
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