未知のウイルス

□未知なるウイルス 第五話
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一方その頃。
ゴールド、シルバー、クリスは既に敵と交戦していた。

相手は三人。
内訳は女が二人に男が一人。女二人は明らかに大人だか、男の方はまだ少年だ。
年の頃もゴールド達とと同じくらいだろう。


だが、それにしても強い。
ウイルスに感染しているポケモンを使っているということもあるだろうが、それを勘定にいれてもなおのことだ。
更にやっかいなことには、相手のコンビネーションが絶妙なことこの上ない。


こちらの全ての物理技は相手の緑髪の女性のラフレシアが使う"花びらの舞"による鉄壁の防御と、銀の長髪が特徴的な女性の使うピジョンの"鋼の翼"による翼撃とで事実上、完全に封殺される。
ならばとばかりに特殊技に切り換えたならば、黒髪の少年のエーフィの強力な念の力でいなされる。
まさに八方塞がりの手詰まり状態だ。

ただし、一つだけ不思議なことがあった。
それは、何故か相手からは攻撃してこない、ということだ。
こちら側が攻撃に徹しているのに対し、向こうは防御に徹している。
常にこの構図で双方の均衡が取られているのだ。


「あー、くそ! これじゃあ埒があかねえじゃねえか」

流石にこの状況が不満であるらしく、ゴールドは開口一番こういった。
本来ならここでクリスかシルバーから窘められるところであるが、クリスの方はこの状況にどう対処したらいいのか決めあぐねている。


しかしその一方で、シルバーだけは冷静に相手の行動の裏にあるものを読んでいた。

相手が攻めてこないというよりは寧ろ……『試されて』いる?
…面白い。ならば望み通り試されてやろうさではないか。


「ゴールド、クリス。今から奴等の陣形を切り崩すぞ」
 

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