■書庫U

□日常生活
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 誰が何処からどう見ても平和で呑気な雛見沢。
 田畑を育てる爺さんと婆さんは精溢れ、住民からのまなざしは暖かい。
 全てが愛に包まれ、日に当てらた村―――。

 そんな小さくてのどかな村に、俺、前原圭一は最近引っ越してきた。
「圭一く〜ん!早くしないと学校遅れちゃうよぉ!!」
「お、おぉ!」

 いつものように俺を急かすコイツ、竜宮レナは俺のクラスメイトでよくしてくれる一人だ。
 引っ越してきたばかりでこんな風に親しく学校へ登校出来るのは、きっとレナのお蔭だろう。


「それでね〜魅ぃちゃんがね〜」
「…そりゃ…あ!」
 顔を上げると待ち合わせしていた、園崎魅音がそこに立っていた。
「お〜い二人とも遅いぞぉ!女の子待たせちゃ駄目だろぉ?!」
「ハハ、御免御免…で、女の子が何処にいるって?」
「こンの圭ちゃ〜ん?!目の前に居るでしょうが!!可愛い乙女がッッ!!!」
「お前、ソレ自分で言うか普通?それに乙女はちょっと無理が…」
「あァン?!何か言ったかな?圭ちゃ〜ん?!」
 言うのが遅れたが、魅音はれっきとした女の子だ。…ま、睨まれたら男の俺でも蛇に睨まれた蛙…
「んン〜?何か聞こえたような…ま・さ・か、圭ちゃんじゃ…ないよね?くっくっく…」
「ね、ねぇ!やめなよ、魅ぃちゃん!それに圭一くんも…学校、遅れちゃうよ?」
「「あぁ!!」」



 こうしていつもの生活が始まる…レナは俺たちの宥め役。それが当たり前で、俺はこんな生活がずっと続くんだと思っていた。
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