■書庫U

□第零章 こけら落し
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――― 一体、どこから間違えたのだろう。
――― 一体、何を間違えたのだろう。
――― 一体、一体、一体………


 あれからずっと、日の光は差さない。まるで、私の罪を忘れさせまいとするかのように―――ずっと。ずっと。
 みんな、消えた。私を除いて、みんな―――楽しかったのに。毎日が、光に包まれているかのように、美しかったのに。…なのに。
 ―――“どうして?”なんて言葉、私にはもう言う資格がない。

 だって―――私が…、私が………



『私、圭一くんが好きなのかもしれない…』
 そう気付いた時、もう一つ、気付いてしまった。…それは、気付いては――いけないコト。

「あはは、馬鹿っでェ〜!!」
「あ―!!馬鹿って言ったな〜!!圭ちゃんの分際でェ!!」
「ホラホラ、魅ぃちゃんも圭一くんも。その位にしといて、ね?」
「………」
「………ったく、仕方ねェなァ…レナに免じて、今日はここいらにしてやるか!」
「あぁ!!それはこっちの台詞だってば!!!」
 魅ぃちゃんが圭一くんを好きなことは―――私が一番よく知っていた。…ただ、それに気付かない振りをしていた、だけだった……。



 いつもの下校道。魅ぃちゃんとはとっくに分かれ、圭一くんともお別れの時がやってくる。
「じゃあ、またね、圭一くん!」
「おぉ、またな、レナ!!」

――― 一体、この思いはどこにぶつければいいの?
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