■書庫U
□聖なる夜に...
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「全く…君は」
「…?」
「どれだけ僕を魅了すれば気が済むのでしょうね?それとも、僕では足りない?」
「な、に…言って……」
もう、骸が何を言いたいのか訳が分からない。言葉が邪魔をして、その意図が掴めない。
「―――そうですね。僕なんて何の魅力もない人間ですね…。今頃気付かせられました…」
そう言って骸はちらりと俺を見るから、罪悪感というか何と言うか、そういうものが心に涌いてくるわけで。
「君に好かれない人生なら―――僕は捨ててしまいたい」
「なっ…!何…言ってるんだよ!!訳分かんないよ!!何でそんなに簡単に捨てられるなんて言うんだよ?!」
「………では君は、僕が必要ですか?」
「―――え?」
すべて、この言葉に繋げさせるための糸口。―――けれど、彼はきっと僕の求めている言葉は言ってくれないのだろう。
それは知っている。けれど、それでも―――
「クフフ、冗談ですよ。ビックリしましたか?」
今全てを壊せる力を僕は持っていないから。捨てたくないものは無理して捨てることはない。だから―――身勝手にそれを欲しがったりしない。
壊さなくていいものなら、それを求めないことでそれを護ることが出来るのならば―――
「―――それで、お前は満足なのか?」
「…っ?!」
奥底にある問いを言い当てられ、恐怖さえ感じた。綱吉は僕を見据えて、言葉を紡いでいく。